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永田洋子 十六の墓標(上)

連合赤軍事件の主犯の一人、永田洋子元死刑囚の手記。
最近購入しなおして、読んでみました。

下巻はほぼ自己弁護に終始した内容なんですが、
まだ上巻は、事件以前の「彼女」の過去や主張が述べられている分、
見るべき内容は多いと思います。
※それでも、ラストは脱退者の粛清=殺害に至る訳ですが。
それでも、巷間指摘されていた女性メンバーとの軋轢に対して
「実はこうだったのよー!!仲は悪くなかった!!」という描き方で反論しているので
「ああ、やっぱり」という感慨しか持ち得ないのが、哀しい。
彼女自身、優柔不断で意志力のない自分というものを、この本で主張しているのですが
彼女の文章や本での態度が、それを裏切っているのが、何とも言えなくなる。
下衆な言い方をしますが、滑稽に思えてしまうのですよ。
また、そう思える自分自身、この作者と似たような部分があるのだと、思い至り
大変情けないと思うのですが。

ただ、当時の学生運動(非合法)の実態の告白本と思ってみると、上巻は興味深い部分が多いです。
正直言って、女の子の扱いは惨すぎる、あらゆる意味でw

あと、この本は、連合赤軍をモデルにして描いた漫画、山本直樹さんのレッドの原作本になったようです。
序盤の街中での活動(永田がモデルの赤城パート)は、ほぼ、この本が参考になったようです。 十六の墓標(上) 関連情報

永田洋子 十六の墓標 上―炎と死の青春

私が高校生になった年に、連合赤軍の事件があった。毎日毎日総括という私刑のニュースを聞くたび、同じこの国で耳を覆いたくなるような残酷なことが本当に起こっているんだと激しいショックを受けた。時が経ってこの本を読む機会を得、著者の当時の状況や、生い立ちに触れ、オウム真理教の事件当事者を重ねずにはいられない。人間の正義は、宗教であっても、使命感や希望に満ちた革命の志であっても、エゴイズムの正当化に溺れるのに気がつかなかれば真面目に間違って行く。先頭を行くものの価値観に感化され洗脳されて行く。過去から学ばなければならないと思う。 十六の墓標 上―炎と死の青春 関連情報

永田洋子 獄中からの手紙

これが実質「彼女」の最後の発言になっている。
この本が出版された時はすでに病状が壮絶なものになっていて
この状況なら後数年の命かと思っていたがまだ存命であるとのこと。
彼女を診察した医師もそのことを見越して診断していたのではないかと。
結局自分しか見えない人間だったから視点が自分からの視点しかない。
文と言うものは面白いもので人間性を表す(自分も他人の事を言えないが)。
彼女の経歴を読んだ上でこの本を読んでみると
彼女がどうして事件を起こしたのかなんとなく判ってくる。

この作者の手記を読んでから文章を書く作家の人間性を考えるようになった。 獄中からの手紙 関連情報

永田洋子 レッド(1) (イブニングKCDX)

「団塊の世代」には嫌悪感しか感じません。
今の団塊ジュニア以降の世代には現実感はないでしょうが、
私の学生時代にはまだヘルメット、タオルでマスクの連中がいました。
あさま山荘事件に象徴される「学生運動」の身勝手さを見て育ち、
学生になったら残党連中から「オルグ」されそうになり、
社会人になったら「元学生運動の闘士」で今は「某財閥系保険会社」に就職した先輩から、
保険に無理やり加入させられ、病歴を正直に書こうとしたら「そこは『ない』にしておいて」と
告知義務違反をさせれれた人間にとっては、「ふざけんな、このアホウども」と言いたくなります。

「大学に自治を」と叫び教授達を糾弾した先輩たち。
卒業間際になって糾弾した「教授」に就職のあっせんを頼み、「大企業」に入った先輩たち。

47ページで赤城が言う「でも吾妻君のお父さんは会社に搾取されているんですよ」のセリフ…。
諸先輩たちは「大企業の社員である俺たちも搾取されているんだ」と思っているらしく、
居酒屋で出てくる言葉は「俺たちは権力と闘った」「お前らはだらしない」でした。

個人的な恨みつらみは別として、この本で連中が本当にアホウだということが分かります。
世界征服をたくらみながら、なぜか「幼稚園バス」を襲う計画をたてる初期の「ショッカー」のようです。
心底この連中がアホウで良かったと思います。これでアルカイダ並みの知恵と実行力があったら、
日本はとんでもないことになっていました。

あの連中のことをこのような表現方法で描いてくれたことに感謝します。
この連中の使っている狂気の日本語、「それは小児的極左暴力主義だ」とか「このブルジョワ裁判は」
とか「異議なし」などを、きっと嘘だ、誇張だと思う世代もあると思いますが、本当に言っていたです。
私の友人はその一人に「お前は反動主義者だ。帝国主義のだ」と指さされ怒鳴られました。
友人は「俺は中国に住みたくない」と言っただけでです。
※当時の中国はまだ貧乏で都市部では配給券がないと外食もできませんでした。誰がそんな国に…

この連中のやったこととその思考を辿らせ、再確認させてくれた価値は充分に評価できます。
冷静に描かれているので、この連中にシンパシーを感じる人もいるかもしれません。
そういう人は是非「あしたのジョー」として北朝鮮に亡命してほしいものです。 レッド(1) (イブニングKCDX) 関連情報

永田洋子 十六の墓標 下―炎と死の青春

高校生の時に坂口弘氏の『あさま山荘1972』を読んでいますが、読後改めて疑問に感じる点も多く、『あさま山荘1972』ももう一度読み返してみようと思いますし、『連合赤軍「あさま山荘」事件―実戦』『若松孝二 実録・連合赤軍 あさま』『光の雨』なども読んでみたいと思っています。

ところで、これらの本を購入するか?図書館で借りようかと通っています。自宅から図書館に行くには、少し歩かなければいけないのだけれども、図書館という存在に久しぶりに言ってみたい気もするし、『あさま山荘1972』と続は既に読んでいるので、改めて購入する事も何だかな...と。

しかし、他の書籍は購入するだろうから、こういった書籍ばかりを図書館で借りる事はいかがなものか?

危険分子リストに入らないだろうか?などと、実にくだらない事を考えてしまう。(そして妄想族としては、私自身が特に事件を起こすことはないだろうけど、何かの事件後に大量のこれらの本が...などというニュースなども連想してしまう。)

それはさておき。

オウム事件やカルト教団に似通っていると言われる事もあるが、確かに大人になりきれていない大人と感じる。途中、彼女の考え方や行動は、ACなのではないか?という疑問すら感じた。

川島氏、森氏と「乗り移り」をしていく中、誰かに評価されるために自分の考えもなく従っていく、結婚すら革命のために必要なのだと『感情』ではなく、『理屈』で物事を決めて行く...。詰まるところ、人間自分の原理原則を深く考え続けていく事が生きる事かもしれないが、そこに終わりはないモノ。

過去を振り返り、総括要求や処刑などを、今思えばという形式で書籍の中では反省の言葉が綴られている部分もあるが、そこには人間らしい感情や自分自身の中の原理原則が生じているとは感じられない。そういった意味では、永田氏は死ぬまでに「総括」する事が出来ていたのだろうか?

坂口氏と最後に離婚の話を二人でする際に、「本当はあたなが好きなのよ。」という言葉の部分だけに、私は彼女の人間らしさを感じた。しかし、人間という生き物は実に不条理で歪んでいる側面を持つモノである。それは私自身も含めて誰にだって...。

誰しも、感情は揺らぎ、その中で理屈と理性でバランスを取る事もある。しかし、それは個で完結する訳ではなく、忠実に個だけで思想を完結する事はなかなか難しい、というか不可能に近い。社会という中で、誰かが言ったからと盲目的に信じてしまう事だって実によくある事である。

非常に不快感を感じたが、(一部隠蔽しているにせよ)ここまで再現している事は凄い。私個人は、彼女に文章力があるとは思わない。もちろん小説家ではないので文章力を求める必要はなく、この本の善し悪しを決める事でもない。

学生運動という事が何故起きたのか?言論思想というモノはどのように個人から共同体へと変質していくのだろうか?教科書では読み取れない昭和史を自分なりに追っていきたいという気持があり、大営本部と学生運動に関してはとりわけ...深く掘り下げ、深く考察をしていきたいと思っている。 十六の墓標 下―炎と死の青春 関連情報



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