大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン [Blu-ray]
最近作の先鋭感は無いものの、Blurayならではクリスピーさは充分あります。ようやく、満足できるフォーカス感が獲得できた感じです。不思議なもので、これまでLD、DVDで何度も見てるにもかかわらず、このBlurayをプロジェクタで投射してみて、着ぐるみの表面の艶など、映画館上映時の記憶がよみがえりました。ロングショットで膝に這うサソリも、江波杏子のピチピチの肌も、本郷功次郎のポマードべっとりの頭も質感充分に堪能できます。
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン デジタル・リマスター版 [DVD]
私のベストガメラ映画です。ガメラにとって、シリーズ2作目にして最初の対戦映画であり、最初のカラー作品。
シリーズでは異色作。その特長は、欲望が渦巻く、大人のガメラ映画であることです。
子供が出てこない、9割が夜のシーン、ガメラの歌もない(ギャオス以降)、ガメラマーチも無い(ギロン以降)。
ガメラは人類の味方ではなく火炎エネルギーを求めて飛来し、出合ったために本能的に戦闘しただけ・・・など、あからさまに子供向けには作られていない点が良いです。
そして、初の対戦相手であるバルゴンがユニーク。
もっぱら特撮ファンの間で有名な話は、バルゴンの不思議について。
熱帯のニューギニア出身なのに冷凍怪獣!なのに水に弱い!周りを凍らせた氷が溶けたらどうするの!
自己矛盾してないか! などという愛ある突っ込みが出来るところが、また愛おしい。
高山良策氏(ウルトラシリーズでお馴染み)製作によるヌイグルミも、愛嬌があり、縦に閉じるまぶたがキュート。
また、本作ではガメラも凶悪な面構えと基本四足がカッコイイ。
最も好きなのが、大阪城でバルゴンが虹色光線を放射するシーン。
夜、凍る街で、いきなり虹を映し出す意外性と、その妖しい美しさ。
シネスコ画面を横断するスケールといい、本作でのベスト・シーンです。
他にも特撮では、冒頭のダム破壊、神戸港でのバルゴン誕生、大阪城冷凍、琵琶湖決戦など、シネスコの横長画面いっぱいに映える広大なミニチュアセットを
ロングで捉えていて、左右に2怪獣を配置する構図が見事です。
また、数カットですが、人と怪獣を一画面におさめた、きれいな合成も効果的です。