奇跡の船「宗谷」 [新装版]
桜林美佐さんは、今の日本に生きる人達が当たり前と思っていることに貢献した縁の下の力持ちを紹介し続けている。海をひらく、終わらないラブレター同様、本書も我々の前(読者によってはもう1つ前か)の世代が敢えて目をつぶってきた歴史を紐解く。
海の科学館に浮かぶ「宗谷」は南極観測船として建造されたものと思っていた。昭和13年に生まれた時は、ソ連に発注された砕氷型貨物船「ボロチャエベツ」だったとは。その後ソ連への引渡しは解約され、海軍、米軍、日本商戦管理局、海保と籍を変えて来た。測量、特攻輸送、軍人引揚、灯台補給、南極観測、流氷を砕く海難救助、海保の練習航海等、数え切れない任務をこなす。一体何万人が「宗谷」に関わったのか数え切れない。
関わった方々は、残念ながら毎年鬼籍に入りつつある。次々に失われる日本の記憶。著者は、それぞれの時代の宗谷の関係者にインタビューを行い、「宗谷」を軸にかつての日本人の誇りと気概を現代に蘇らせた。一体何人と語り合ったのか、どれだけの量の原稿を削ったのか。著者が書きたかったことの一部しか本に収められていないが、平易な文章に日本を思う気持ちが溢れている。
昭和の日本を支えた日本人がどのような気持ちで日々を暮らし、日本のため、世界のため、次世代のために尽力してきたか。自由と快楽だけを求めた戦後世代がどのような国を作ってきたのか。一度振り返るべきだろう。
豪雪.厳寒の宗谷本線を雪列車(DE15)が行く! [DVD]
ズーミングがやや唐突だったり、撮影ポイントの制約か、
標識や電柱の映り込みが多かったりと、やや気になる点はありますが、
力強い力行音と共に雪を蹴散らして走るDE15は迫力があります。
旅客列車の前面展望とリンクさせたのも、良いアイデアだと感じました。
1/350 艦船シリーズ TBSドラマ「南極大陸」宗谷 “第1次南極観測隊” 40080
塗装が同シリーズの三笠や氷川丸に比べて格段に上級者的なことを要求されます。
非常に細かいパーツに2色以上塗ることが多いです。
またデカールも非常に細かく余分な部分の削除にかなり神経を使います。
特に飛行機とヘリは初心者にはどうにもならないくらい難しいです。
3つのキットの中で1番最初に購入しましたがこれが1番安いのに1番難しいです。
ただキット自体は良い出来なので私が上級者なら星5個でした・・・
ビコム ブルーレイ展望 特急スーパー宗谷1号 札幌~稚内(Blu-ray Disc)
札幌駅を逆光で出発しますが3駅程で順光になり一安心。
他にも旭川駅、音威子府〜佐久間で逆光になる所がありますが短い間です。
窓の汚れもそれ程気にならずスピードも上がり展望を楽しんでいると、画面右下に鳥の糞が・・・
場所が線路脇のあたりなので見ているうちにだんだん気にならなくなりましたが。
旭川、塩狩峠を通り和寒駅を過ぎると今度は画面左上に虫が激突・・・
これは少し気になります。
その後も智恵文駅過ぎに中央上に(これは小さい)、豊富駅過ぎに中央下に虫がぶつかります。
これら糞や虫は稚内駅まで付いてきます。
廃線跡、旧線跡、廃駅跡、機関区跡、引込線跡、などをたくさん通ります。
いろいろな物が無くなってしまったのですね。
窓の汚れが気になりますが、自然の中を5時間走ってこれだけで済んだのだからまあまあではないでしょうか。
幸い画面中央は最後まで汚れません。
ずっと内陸を走りますが、最後に見える日本海がきれいです。
南極観測船ものがたり―白瀬探検隊から現在まで
南極観測船の初代「開南丸」から戦後の「宗谷」「ふじ」現役の「しらせ」、そして次期観測船「17AGB]の概要までを含むドキュメンタリーだ。
著者の情報収集力がすごい。新聞記事のような抑揚を押さえた文章でつづられているのだが、まるで冒険小説を読むみたいで、知らないうちに引き込まれている自分に気付く。
「・・・チャージングのため一旦後進した。続いて右推進器を前進第四強速に変えた直後、大きな衝撃が「ドーン」と艦を揺さぶった。続いて右推進軸の回転数が急上昇、主機の負荷がなくなった。ただちに主機を止めた。船尾をチェックしたところ、右推進翼が四枚全部、根本三十センチを残し完全に欠落していた。・・・」
1969~70年「ふじ」の第11次航海で、ビセット(氷に閉じこめられる)され、氷壁に体当たり(チャージング)して航路を確保しようとした時、右スクリューを失う事故にあう、その瞬間の描写だ。
略歴を見るとロイターの主席記者、フリーになってからは水産庁嘱託通訳として船に乗っている。もしかしたら、この本も一旦英語で書いて、それを自身で翻訳しているのかもしれない。そう思わせるほどの簡明かつ論理的な文体が現場の生の声をより鮮やかに描き出している。
読み終わると、たぶん、誰もが、南極大陸は環境、外交、経済、科学、・・・、一国の未来すべてにかかわる重要なことなのに、旧来の縦割り行政などで次期観測船の予算までけちるんじゃないよ、といった感想を抱くと思うが、それこそ著者が本当に言いたいことかもしれない。
本のカバーには次期観測船のCGが使われている。