エッジ 下 (角川ホラー文庫)
下巻のカバー(袖)のところに、ナイトシャマラン監督の推薦コメントが小さくありました。(見過ごすところでした。)「この物語は荘厳で雄大だ。」 ということは、既に英語に翻訳されていて、映画化に向けて準備が進んでいるということなのでしょう。
なんといっても、日本が世界に誇る作家、鈴木光司さんの作品です。先日も、トイレットペーパーにホラー小説を書いた(印刷した)、というニュースが欧米のメディアにも取り上げられたようです。この「エッジ」も世界に通用する小説だと思います。
これがホラ−かと言われると、それは違うと思いますが、失踪事件と古代マチュピチュや太陽黒点、銀河のかなたまでつながって話が進展してくいく壮大なスケールと、それほど破綻せずに、最後まで一気に引っ張っていく力強さはすごいです。この時空を超えて世界がつながっている感じは、どことなく「楽園」を思い出させてくれました。
「あっと」驚く仕掛けには、ちょっとやり過ぎの感がありますが、シャマラン監督にぴったりの題材ではないでしょうか。
楽園
鈴木光司さんの「楽園」を読んで、とても感動しました。この「楽園」をテーマにした曲があると聞き、思わず購入。
アルバムは1神話 2楽園 3砂漠 から構成されています。
『プロローグ:ベリンジア』、『ラピシア』、『航海』、『砂漠』、『鍾乳洞〜地底湖』が特にお気に入り。
classicともpopsとも異なる、切なく悲壮感を漂わせながらも力強さの感じられるとても美しいメロディーです。
一曲一曲すべてに物語があり、「楽園」の舞台となる深い森、美しい海、広大な砂漠、現代のニューヨーク、そして鍾乳洞。目を閉じていると次々とその光景がスクリーンのように移り変わります。
BGMとして流すよりは、じっくりと光景を思い浮かべながら聴いてほしいアルバムです。
こちらのピアノの楽譜も購入しました。ソナタを習得されている方でしたら楽に演奏できるかと思います。CDで聴くのとはまた違った感じが楽しめます。
「楽園」は私の最も好きな本です。CDを聴く前にまずは本を手にとってみてください。本を読んでからのほうがメロディーから光景が思い浮かべやすいからです。きっと人生の中でお気に入りの1枚になるでしょう。
君へ。―つたえたい気持ち三十七話 (ダ・ヴィンチブックス)
37人のエッセイ集。
「ダ・ヴィンチ」
#って読んだこと無いのだけれど(^^;
の人気連載「日本テレコム マンスリーエッセイ」をまとめて文庫本にしたものらしい。
日本テレコムがスポンサーだけあって、電話をモチーフにしたエッセイばかりであるが
なかなかしんみり来る話やほのぼの来る話が書かれている。
一人5ページ+スナップ写真と一言と言う構成で、ちょっとした空き時間に数話読める。
実話(らしいもの)あり、フィクションあり、愚痴あり(^^;で楽しめます。
ちなみに執筆陣は、五十音順で、
1 有栖川有栖
2 石坂啓
3 石田衣良
4 五木寛之
5 江國香織
6 大沢在昌
7 大槻ケンヂ
8 大林宣彦
9 乙 一
10 角田光代
11 川上弘美
12 北方謙三
13 北村 薫
14 小池真理子
15 鴻上尚史
16 鷺沢萠
17 重松 清
18 篠田節子
19 鈴木光司
20 瀬名秀明
21 高橋源一郎
22 田口ランディ
23 谷村志穂
24 馳 星周
25 坂東眞砂子
26 藤沢周
27 藤田宜永
28 松岡佑子
29 松尾スズキ
30 宮本 輝
31 村山由佳
32 森 絵都
33 山川健一
34 山本一力
35 山本文緒
36 唯川 恵
37 夢枕 獏
です。
エッジ 上 (角川ホラー文庫)
本書上巻の帯には「超野心的ホラー小説最終形!」という惹句があるけれども、ホラー風味はプロローグの部分だけで、骨格としては完全にSFのジャンルだろう。
鈴木光司の代表作である「リング」は純粋ホラーだったが、オカルトのまま終わらせるのに著者が納得いかなかったものか、「らせん」になって無理矢理科学的な説明付けをしようとこねくり回し、「ループ」に至っては遂にバーチャルな世界に行ってしまい、物語が破綻してしまったと思う。本作の場合、これ一本で「リング」シリーズを一巡しているなというのが、読後の率直な印象だった。
アイデアはいい。エピローグのどんでんの返し方も、意表を付いている。でもSFというにはストーリーテリングが今ひとつで、とても星5つは出せないな。結局科学的な素材を説明するのに汲々として登場人物を魅力的に描けていないのが敗因じゃないだろうか? ネタパラシになってしまうので、抽象的な書き方しかできずにもどかしいけれども(内容はレビューのタイトルに尽きる)、決して傑作と呼べるような作品ではない。「リング」を初めて読んだときの驚きは、遠い過去になってしまった。
「リング」「らせん」の鈴木光司書下ろし 日本一怖いトイレットペーパー ドロップ1&2セット
ちょっと話が短すぎる気が・・・。
しかも、意味がよくわからなくて、怖くはなかったです。
性質上、長編が無理なのはわかりますが、
できれば物語を何種類か用意してほしかったです。
もちろん、発想は面白いと思います。