オニヤンマ空へ (のびのび・えほん)
生後まもなく死んでしまった主人公の妹。その妹のお墓参りに行った後、少年はヤゴを見つけます。家に帰ってしばらくすると、ヤゴはオニヤンマに変わりました。その姿と死んだ妹がダブった少年は、一人でオニヤンマを逃がしてやろうと、見つけた場所まで行きます。そこはバスにのらなくてはいけない、少年にとっては遠い場所。おまけに外は激しい雷雨です。それでも少年はなんとかオニヤンマを空に返すことに成功するのでした。
少年の顔がまるでおにぎりのようで、とても愛嬌があり、親しみの持てる絵です。遠かった死がオニヤンマの誕生との対比で、少年は妹の死を理解できるようになったのではないでしょうか?
うちの4歳の息子も、この本を通してなんとなく死というものを理解できたのではないか?と思いました。
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オグリの子
なんとも懐かしい感の小説である。「たにし」「鬼やんま」「オグリの子」の3篇からなる本作品は、子供と子供時代にしかない時間の流れみたいなものを、とてもうまく丁寧に描いている。遠く過ぎ去った夏の日。田んぼ。高い空。遊んで寝て、何かに夢中になって・・・。そうだった人もそうでなかった人も、きっと子供時代って、こんなふうだったような気がするはず。「鬼やんま」の、兄弟二人のやりとりや、夏の焦げつくようなじりじりした暑さがリアルで、好きです。「オグリの子」の、ナオト、ユウ、コージの三人がお互いの違いを認めながら、友情を深めていく様子は、よくある少年ものだけど、やっぱり子供の成長する様は心うたれます。まわりの大人の言動をよくみて、自分なりに消化する作業が子供を成長させるんだなあと、再認識。彼らとともに私も、もう一回子供時代を追体験させてもらいました。
ぞうさん-まど・みちお童謡集-[白寿記念]
知っている曲半分、始めて聞いた曲半分。
子供の心を鋭く表現する詩人のすごさを垣間見た気がするぜ。
今の子供向け曲はなぜか大人の視点から表現された、説教臭いものが多い。
この歌の大半が作られた1950ー1970くらいが日本の文化的ピークだったのかもしれない。
これを音楽プレーヤーの中に現代の曲と混ぜて入れておくと、非常にイイデス。
癒しになります。
ぞうさんは真理よしこの奴が聞きたい。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
とりあえず攻殻ファンなら買って損はないと思います。
自分の場合は操作になれるのにややてこずりました。
どうやって進めばいいのか、という点で時々つまりました(特に素子を使ってのプレイ時)。
ところが操作になれてくると、その難易度が程よく感じてきて、
難易度が攻殻機動隊らしい、と思えてくる。
普通の人間なら通れないような場所から侵入する(不慣れだと転落)、
敵をハッキングして侵入しやすくする、
そういう所から色々な箇所に、プレイヤーが気づかなければ進めない、
ちょっと頑張ると見えてくる、分かってくる、
適度な難易度が各所に用意されています。
それが非常にやりがいがありました。
自動照準ではなかったのも今は良かったと思えます。
ヘタレな自分はしょっちゅう高所から転落したりしていたのですが、
コンテニューポイントが要所にもうけられ、やり直しにイライラさせられることはありませんでした。
ストーリー的にも巧くまとまっていると思いました。演出もヨシ。
飽きずに先を追えました。
使いまわしの台詞や、やり取りに、時折萎えたりもしましたが、
最後のバトーと素子の掛け合いは巧い!と思わせつつ綺麗に終っていて、
ゲーム終了後は良い満足感が。
戦闘中に侭に勝手に脳内会話に突入しますが、
ラスト付近のバトルは、自分、会話を聞く所ではなかったので
後でログを聞き直したりしましたが、派手な戦闘中の会話…それも攻殻らしい。
素子もバトーも余裕です(?)。
攻殻ファン以外の人には入り込めない侭ゲームが終る人もいるかもしれない、
という点で星は4つ。
自分的には星5つ、ですね。良質なゲームです。