数学ガール 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
こんな風に数学の面白さをマンガにできるなんて。
数学のワクワクドキドキを表情にできるなんて。
もうそれだけで十分。
おまけにテトラちゃん可愛いし。
白衣のカノジョ 1 (ヤングジャンプコミックスBJ)
白衣で眼鏡で天然で、同じアパートの別の階に住んでいて、付き合ってはいないけれど一緒に宅呑みする関係で、といった判り易い記号の連発。展開としてもあれやこれやあざといものが続いて、さあ興奮しろしろと煽りかけてきます。この手の作品は出来の悪い焼き直しのように感じてげんなりしてしまうことも多いのですが、『白衣のカノジョ』は苦笑しつつも素直にときめくことが出来ました。
要因を挙げるなら絵柄の可愛らしさと、微妙な間柄を表すぎくしゃくした台詞回しの巧みさ。そしてやはり支倉さんのキャラクターがツボ!なのです。
あと、ふたりが高校の先生という設定が意外と効いています。生徒の前でのぴしっとした顔(あまりそういうシーンはありませんが)との対比で、大人だけの時の力の抜けた素の感じが良い意味でのゆるい雰囲気を醸し出しています。
ただこの作者、登場人物の顔立ちのヴァリエーションが乏しいのが欠点ですね。あれっ、ミルカさん、養護教諭になったんですか、みたいな。それは言わない約束?
数学ガール 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
本書は「萌える数学本」としてベストセラーになっている「数学ガール」を漫画化したもので、「数学ガール 上」の続編です。原作のシーンを適宜切り取って漫画化した感じです。主な感想は「上巻」の方に記しました。この下巻を読んでも、高校時代に同級生(女子)に数学を教えていた時に感じた"甘酸っぱい気持ち"・"胸がキュンと締め付けられるような甘美な思い"が甦ってきました。(もう少し絵が綺麗だったら、という気もしなくもないですが、ストーリーにハマっているとさほど気にならないかな。ただ 小さく薄めの手書き文字が少し見づらいのが難点...) 上下巻ともメディアファクトリーのサイトで少し"試し読み"できますので、ご興味のある方はそちらもチェックしてみて下さい。
本書で扱われてる数学のレベルは上巻よりは高度になっていますね。(母関数を用いたフィボナッチ数列の一般項・素数が無限にあることの証明) 大学受験数学のレベルは超えていますが、もし難しく感じる場合はテトラちゃんに感情移入すれば問題ない?(笑) 「本来の数学の魅力はこういう処にあるんですよ」と気付かせてくれる漫画が生み出されたという偉業に対して★5つを進呈します。本書から「数学ガール」に入って数学に興味を持った読者には原作「数学ガール」「数学ガール/フェルマーの最終定理」をオススメしたいです。数学に"萌え"ること請け合います。
なお「数学ガール」シリーズは"オイラー(Euler)"→"フェルマー(Fermat)"→"ゲーデル(Goedel)"と続きます。(現在、ゲーデルの不完全性定理の話題を扱った第3巻をご執筆中とのこと) これは楽しみですね! o(^-^)o
【追記】第3巻「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理」出ました!これまた傑作です!
すきなひと 1
リンクと表紙から百合だと思いこんで購入したのですが、内容の中には男女の交わるシーンが多いです。
百合らしき描写もあるにはあるのですが、少ない上に如何せん男女の方が多いためにそちらばかりに目がいってしまいます。
百合好きな方で男性の介入がお嫌いな方は購入しない方が吉です。
しかし、そうでない方には楽しめる内容なのではないかと思います。
点数につきましては、今回は百合目的で購入した為に男女が交わるのは予想外だったのでこの点数で。
楽園Le Paradis 第1号
恋愛ものの短編作品ばかりを集めたオムニバス・コミックの創刊号。
ただし、その「恋愛」のかたちは、ストレート、百合、初々しい学生もの、エロいもの、BL、近親、フェチなど様々で
(相対的にはストレートと百合が多いけど)、また男性向け、女性向けという垣根も意識せずに作ってあると思う。
さらに、売野機子「日曜日に自殺」のような実験的とも言える作品も載っていたりで、要するに「なんでもアリ」な雑誌なのだろう。
読み終わった後、この雑誌を作った編集者と握手したい気持ちになった。
個人的には、同人時代から好きだった売野機子と西UKOを世に送り出したというだけでも絶賛に値するんだけど。